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このブログでもぼちぼちクラウドについて書いたりしていますが、今日はこれを見ました。

クローズアップ現代「新情報革命 ”クラウド”の衝撃」

番組を見た感想はといいますと、まるでSalesforceSaaSの宣伝のようでした。Amazonなどには全く触れず。そりゃあいきなりクラウドなんて言われたって困るという人が見てるんですから、具体的な事例を挙げるとなるとSalesforceになってもしょうがないかもしれません。クラウドの事例はまだ乏しいといいいますか、どっちかつうとインフラ的な話なのかもしれませんが。

説明しろと言われたら私も困るんですが、クラウドというのは物の「とらえ方」であるような気がします。実体としては、レプリケーションやロードバランサーなどが完備されたハイアビリティなサーバ環境であり、売りとしては、大きくない企業や個人単位で用意するとなるととても大変な(でも安定運用には不可欠な)環境が低コストで気軽に利用できるということです。

じゃあコストは無視して高価なホスティングとどう違うのと言われれば実質的には変わらないと思うんですが、クラウドはどのように提供されるのかというと、一言で表すのが難しいです。それはクラウド各社によって提供する方法が異なることに起因するのですが、むしろクラウド各社のサービスの特徴というのは、供給の手法なのではないかと。膨大なハイアビリティな環境を、これをどういう形でお客さんが活用できるようにするか、ということではないかと思います。

SalesforceとAWSについて、私の勝手な解釈で書きますと…

Salasforceは自社のクラウドとクラウドに対応したSFA(営業支援ソフト)をセットで運用・提供していますから、最初からクラウドのメリットを引き出す形で全てが構築されたような印象を受けます(参照記事 Ascii.jp 「ソフトかクラウドか、開発者は選ぶ時代だ」セールスフォース)。利用者もクラウドとは何かが分からなくても低コストで便利というメリットを感じることができるのかもしれません。

AWS(Amazon)は仮想化の技術を使って、既存のホスティングと同様に扱え、かつリソースに柔軟性をもたせたインスタンスという形で提供しています。ストレージ等に発生する料金は、データの管理費的な扱いとなっていて、このあたりがホスティングとの違いを感じさせます。

同じクラウドといってもSalesforceとAWSは異なるレベルで提供していますから、一概にどうとは言えません。ただ、AWSの機能を活用すればSalesforceのようなサービスが作れると思います。先日取り上げたPandaのようなフレームワークがどんどん出てくることでしょう。

NHKの番組でも言っていましたが、重要なデータを外部のデータセンターに置くことでセキュリティ等のリスクはあるわけですが、こうした環境が安心して使えるレベルになってくると、ホスティングというのは様変わりするのではないでしょうか。それと、番組は全体的にはイマイチだった気がします。クラウドとASPやSaaSがごっちゃになってました。

個人的な趣味の次元の話ですが、今はただ各サイトからリンクをするためのMP3ファイルの倉庫であるPOOLCAST.NETも、最終的にはクラウドと入出力を行うためのインターフェースになればいいじゃんね、でもそれってPandaみたいなもんか、ははは、みたいな妄想をしたりしました。眠くなってきたので尻つぼみです。

先日Pandaについてエントリーを書きまして、その続きです。
アクセスログをみていたら、こちらのサイトを参照元とするアクセスがありました。

Panda = AWS + Merb + ffmpegで作る動画共有フレームワーク

拝見してみますと、書き手のmakotoiさんはロンドン在住のエンジニアということで、Pandaを開発された会社の方だそうです。おお!と思って読んでいくと、私のブログが引用されていました。ご覧いただいたのはありがたいことですが、よりにもよって貧乏丸出しエントリーとはw

それはともかく!この方はPandaの開発に携わるそうでして、各種情報が日本語で出てくるととてもありがたいです。Panda周辺のコミュニティでは既にAWS環境以外で動作する派生バージョンも開発されているようですし、後日時間を作って試してみたいと思っております。オープンソースのこういうダイナミックなところが面白いです。

このような記事を見て興味を持ちました。セットアップするだけで動画投稿サイトが作れるなんて楽しそうです。実際に稼働させるところまではやってないのですが、ちょっと調べてみたよというお話です。

Gigazine – YouTubeみたいなサービスをAmazon EC2/S3/SimpleDBを駆使して自前で構築するオープンソースプラットフォーム「Panda」

PandaはAmazon EC2/S3/SimpleDBに導入するシステムということで、Amazon web Services(以下AWS)のアカウント取得をしなければなりません。AWSの存在は「従量制のVPS?」のような漠然としたイメージを持ってはいたものの、全く手をつけておりませんでした。これもGigazineの記事を参考にしました。

Gigazine – 「Amazon EC2」と「Amazon S3」を実際に使ってみたので、まずはアカウント作成まで

Amazon EC2 というのは Amazon Elastic Compute Cloud のことなので、直訳すれば「融通の利くコンピュートクラウド」ということになるんでしょうか。物理的には多数のコンピュータで構築されたシステム(クラウド=雲)から、お好みに応じてリソースを配分した仮想のサーバ(インスタンス)を提供します、ってかんじですかね。クラウド云々についてはこういうページをどうぞ。

日経ビジネス – クラウド・コンピューティングの実力は?

Amazon S3 はストレージのサービスです。おおざっぱにいえばEC2がコンピュータのCPUとメモリで、S3がHDD(この場合はNAS?)ですね。費用は、EC2は稼働時間、S3はデータの転送量や保存量に応じた従量課金となっています。EC2を使う場合はS3とセットでないと長期運用が難しいように思えます。S3の場合は、それだけを使ってファイルのやりとりをする…といったことができるようです。

Pandaを試したいがためにこうしてAWSのアカウントを取得してみたわけですが、金がかかるとなると実際にいくらかかるか気にならないわけがありません。ちょいとネットを見回してみますと…

Perl Tips – Amazon EC2 を使うときの大まかな流れ
↑まずEC2を使う際の概要がわかりやすかったので… 固定IPアドレスも別料金なんですね。

life is beautiful – Amazon ec2のエコノミー、月72ドルでレンタルするのと、999ドルのマシンを買うのはどちらが得か?
↑最も安価なインスタンスを1ヶ月稼働させた場合は$72。まあたしかに、自分でサーバたてると心配でしょうがないです。

ここギコ! - Amazon EC2のランニングコストはそんなに安くなかった
↑用途によるわけですな。

結局EC2はビジネス向けで、私などがそこらのレンタルサーバと比べること自体が間違ってるなと思えてきたわけです。例えば、サービスの負荷に応じて使用するサーバ(インスタンス)の台数を変更してコストを最適化する…といったようなことを行う場合は、驚くほど簡単に、そして安価に実現してしまいます。実際にAmazonのサイトを運用している技術が月額$72からとなれば、とても安いのだろうと思います。

というところでなんだか納得してしまったので、(金もかかりそうだし)Pandaの導入はしていないのですが、AWSの管理画面でAmazon Machine Image(AMI)のリストを見たところ(Gigazineのページだとこのへん)、PandaのAMIもありましたので、それを起動してちょちょいと設定をカスタマイズすれば動く流れです。AMIには有償のものもあるようです。てゆうかこの一連の操作で1セントかかることになりましたw

Panda – Getting Started

Pandaはフレームワークですから、これをベースにオリジナルのアプリケーションを作っていくことになります。言語はRubyです。楽しそうなんですが、いじってるだけでお金もかかるんですよね。その程度なら$100/月くらいで済むんでしょうか。

この構成なら開発は普通のLinuxでやって、本番サービス環境としてEC2でも動くよ!といった話でもいいような気がします(てゆうか出来ないことはないだろうけど)。しかし、オープンソースの泣き所でもある、FFmpegなどの「個別のソフトを連動させて、ひとつのシステムとして構築するのが大変なんです」みたいな事態に対して、それならばベストな状態のシステムを丸ごとAMIに固めて提供してしまおう、というオープンソースらしく、かつEC2ならではのメリットも理解できるんですよね。環境構築に煩わされることなく、いきなりアプリ開発に専念できます。この手のサービスもどんどん進化していきますね。ま、元を取ることができるようなアイデアでもあれば…

「Panda その2」へ続く